なぜデフレはダメか
2023/06/13
- インフレはモノの値段が全体的に上がること、デフレは逆にモノの値段が全体的に下がること
- モノが安くなるので、「自分がモノを買う」という局所的なところだけ見れば、よさそうにも見える
- しかしデメリットもある
1つ目のデメリットは、下がってほしくないものまで下がってしまうこと
- 自分が提供するモノの値段、自分の労働力に対する価格、端的にいえば給料まで下がってしまう
- ただ、下がり方はちょっと特殊かもしれない
- 例えば、「今1000万円もらっているが、来年から700万円になる」という下がり方はしないかもしれない
- よくあるのは、「昔はこの会社で20年働くと年収が1000万円になったが、今は20年働いた人の年収は700万円までにしか上がらない」みたいなケース
- つまり、給料そのものではなく、給与カーブが下に移動する、という下がり方
- この下がり方は見えづらく、実際に下がっていても多くの人は実感できない
- 給料が下がってうれしいという人間はいない
- 給与カットが進んでいくと、人を減らすという話にもなる
- クビになってうれしいという人間はいない
- 他にも、事業にあてられる予算の金額とか、広告屋から見た他社の広告費というような、自分が使えるモノの値段まで下がってしまう
- 一方、必要なコストが同じように下がるとは限らない
- 値段がマイナスになることはないので、値段が下がるにも限界がある
- 給料の下がり幅に比べて、生活費の下がり幅が小さいと、生活は苦しくなる
2つ目のデメリットは、リスクをとる人が減り、国として成長しなくなること
- 長期的な視点
- 結局、カネを借りてまで新しいことをすることはないか、という発想になりがち
- 例えば、1億円を借りて工場を作る。2万円の商品を売って利益が1万円とする。この時点では、1万個売れば借金が返せる計算。
- 価格が下がると、普通は利ザヤも下がる
- もし、商品価格が1万円、利益も半分の5千円となれば、借金を返すのに同じ商品を2万個売らないといけない
- 一方、値段が半分になったからといって、みんなが2倍買うわけでもないし、買う人が2倍になるわけでもない
- つまり、普通は、価格が下がって利ザヤが減ると、借金を返すハードルが上がる
- 国として成長しなくなってしまう
実際に起きている
- 日本はデフレなので、実際に起きている
- 親世代が考える「今はこれくらい給料をもらっているんだろう」に比べて、現役世代が実際にもらっている給料が少ない、という話
- 新規事業にカネは出さないが、みんなが必死にアイデアを出せば一発逆転ができると経営者が妄想している、という話